ヘッドスパはいくつかの技術に分かれています。
大きくは、毛髪や頭皮といった外面を健康な状態に導いて保つ技術と、内面の身体的・精神的な疲れを癒し、ストレスを解消する技術です。
ヘッドスパで重要な3つの工程
洗浄
損傷の少ない毛髪と次に生えてくる新生毛をダメージから守ります。
そのために毛髪の強さのもととなる有用物をなるべく除去せずにシャンプーを行います。
ダメージ毛の対応は、美しく見せる事はもちろん、ダメージの進行を遅らせる修復ケアを施します。
頭部マッサージ
血液やリンパの循環を活性化させ、老廃物、疲労物質の排出を促進します。
これより育毛や発毛効果をもたらします。
頭部マッサージの総合作用によって、全身への美容効果や健康増進も期待できます。
また、自律神経のバランスを整え、内分泌系や免疫系のバランスを改善します。
頭皮ケア
頭皮の状態を良好に保ちます。
頭皮を乾燥から守り、バリア機能を整え、外部刺激などからの保護力を高めます。
リンス・コンディショナー・トリートメントの違い
目的及び成分について類似して点が多く、施術目的には、特に明確な差違はない。
- リンス
毛髪に柔軟性と光沢を与えるために開発された - コンディショナー
さらに高い保湿力などを加味 - トリートメント
損傷した毛髪の修復効果までを求めてたもの
リンス・コンディショナー・トリートメントの役割
いずれも、シャンプーによってマイナスの電気を帯びた毛髪を中和し、プラスに帯電させることで、毛髪を弱酸性に戻す効果がある。
この作用によって、静電気を防止し、毛髪の手触りやクシ通りがよくなる。
また、毛髪がまとまりやすくなるため、ヘアセッティングの際の扱いが容易になる利点もあげられる。
リンス・コンディショナー・トリートメント剤の成分
カチオン界面活性剤
毛髪のタンパク質に吸着し、毛髪の表面に被膜をつくるので、静電気を防止してブラシの通りをよくするほか、ホコリなどの遮断し、毛小皮を保護する。
毛髪に美しい光沢を与えるなどの効果がある。
活性剤の種類 | 特徴 | 主な用途 |
アニオン界面活性剤 | 乳化・分散性に優れる 泡立ちが良い 温度の影響を受けにくい | 衣料用洗剤 シャンプー ボディソープ |
カチオン界面活性剤 | 繊維などへ吸着する 帯電防止効果がある 殺菌性がある | ヘアリンス 衣料用柔軟剤 殺菌剤 |
両性界面活性剤 | 皮膚に対してマイルド 水への溶解性に優れる 他の活性剤と相乗効果あり | シャンプー ボディソープ 台所洗剤 |
ノニオン界面活性剤 | 親水性と疎水性のバランスを容易に調整できる 乳化・可溶化力に優れる 泡立ちが少ない 温度の影響を受けやすい | 衣料用洗剤 乳化・可溶化剤 分散剤 金属加工油 |
カチオンポリマー
カチオン化セルロース、カチオン化PPT、カチオン化合成ポリマー、カチオン化シリコン、カチオン化多糖類ななど、カチオン化を施した高分子で、カチオン界面活性剤よりも毛髪に長く残るため、より高い効果が得られる。
また、ハリ、コシ、輝きといった毛髪本来持つ生命力の回復に有効な成分も、リンス、コンディショナー、トリートメント剤には含まれている。
加水分解コラーゲン(PPT)
アミノ酸。アミノ酸は、毛髪に似た構造であることから作用する力が強く、損傷によって流れ出たタンパク質を補う役割を果たす。
主なPPTの種類 | 表記される名称 |
---|---|
コラーゲンPPT | 加水分解コラーゲン |
ケラチンPPT | 加水分解ケラチン |
シルクPPT | 加水分解シルク |
パールPPT | 加水分解コンキオリン |
ミルクPPT | 加水分解カゼイン(牛乳) または加水分解乳タンパク |
ダイズPPT | 加水分解ダイズタンパク |
油性成分
植物油脂、脂肪酸、ラノリン、スクワラン、エステル油、ワックス、シリコーン油、高級アルコールなどがある。
主に過剰に失われた皮脂を補い、表面を覆った被膜が毛髪の水分蒸発をコントロールして、毛髪のなめらかさや手触りをよくする働きがある。
油性成分 | 油脂 | ヒマシ油、ツバキ油、オリーブ油、アプリコット油など |
高級脂肪酸 | ステアリン酸など | |
ロウ類 | ミツロウ、ホホバ油など | |
炭化水素 | ワセリン、流動パラフィン、スクワランなど | |
高級アルコール | セタノール、イソステアリルアルコールなど | |
エステル油類 | ○○○エステル | |
水性成分 | 精製水 | 水質基準に適合した「上水道水」を原水として、金属イオンを除去したもの。 |
アルコール | 主に、エチルアルコール | |
増粘剤 | カルボマー、キサンタンガムなど | |
粉末成分 | 有色顔料 | アルミナなど |
白色顔料 | 酸化チタン、酸化亜鉛など | |
パール剤 | 酸化鉄、雲母系合成パールなど | |
体質顔料 | タルク、カオリン、マイカなど | |
界面活性剤 (乳化・分散・可溶化剤) | ステアリン酸グリセリル、ジメチコンコポリオールなど |
保湿剤
毛髪の水分が不足すると、静電気が発生し、損傷が起こりやすくなる。
グリセリン、グリコール、キトサン、コラーゲン、ヒアルロン酸といった保湿剤が、毛髪から水分を逃さないようにし、静電気を抑えて損傷を防ぐ。
近年は特に、ヒアルロン酸や、コラーゲン、キトサンなど高分子の保湿剤が使用されています。
保湿成分 (柔軟材) | 加水分解コラーゲン、グリセリン、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、プロピレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム、ラベンダー油など |
収斂成分 (制汗剤) | クエン酸、乳酸、硫酸アルミニウム、レモン水、ハマメリスなど |
清涼成分 | メントール、エタノール、カンフル、ユーカリ油など |
紫外線防止剤 | 酸化チタン、酸化亜鉛、オクチルトリアゾンなど |
リンス・コンディショナー・トリートメントの選び方
リンスの目的
リンスはとは、本来、「すすぐ、洗い流す」という意味です。
リンス剤を用いて毛髪をすすぎ、柔軟性と光沢のある毛髪に仕上げること
髪の表面をコーティングして保護し、キューティクルの傷みを防ぎながら指通りを良くするという効果があります
コンディショナーと比べると、髪の潤いをキープする働き弱いのです。
リンス剤の選択
- 頭皮、毛髪の性状に適した成分が含まれているか
傷んだ毛髪には、油性物質やタンパク加水分解物などの添加したリンス剤が適する。 - 酸性効果はあるか
毛髪の㏗がアルカリに傾いているような場合は、酸性効果のあるリンス剤が適する - 帯電防止剤は含まれているかなど
成分の項で解説したように、カチオン界面活性剤には、高い帯電防止効果がある。
コンディショナーの目的
コンディショナーには「状態を整えるもの」という意味がある。
リンス剤の効果をさらに向上させたものが、コンディショナーだといえる。
トリートメントほどの修復効果は望めないが、毛髪にツヤや潤いを与え、感触が良くなるように毛髪の表面へとはたらきかける。
油分だけでなく、髪に必要な水分も与えてくれます。保湿効果で潤いを持たせてキューティクルがはがれにくくし、髪の外側をコーティングする働きでツヤのある美しい髪の毛に導いてくれます
リンスにさらに保湿効果を高めたものがコンディショナーと呼ばれるようになりました
コンディショナー剤の選択
リンス剤に近い洗い流すタイプのものと、スタイリング剤のように塗布したままで効果を求めるタイプがある。
ただし、どちらが優れているかというびではなく、あくまでも毛髪の状態に応じて使い分ける事が大切である。
ヘアトリートメントの目的
トリートメントは、 髪表面の状態を整え、髪に栄養や油分を補い、ダメージをケアしながら本来の健康な髪に導く。
毛髪が傷むとと起こる障害
- 光沢が失われる
- 乾燥して裂毛などになる
- 弾力性がなくなり、ウェーブなどがが出にくくなる
- 収まりが悪くなる
ヘアトリートメントは、このような毛髪を人工的に補強し、正常な状態に近づけること、また、それ以上傷まないように毛髪を保護することが目的。
トリートメント剤の選択
毛髪が傷む原因としては、栄養障害などの内部原因によるもののほかに外的要因があげられます。
化粧料、薬剤などによる原因
- 脱脂力の強いシャンプー剤の連用
- パーマネントウェーブ用剤の連用
- 強力なブリーチ剤の連用
- 染毛剤の連用
- アルコール含有量の多いトニックまたはセットローションといったスタイリング剤の使用
加熱による原因
- ドライヤーで熱風を長時間毛髪に当てる
- シャンプーのあとに、タオルドライを十分にしないまま急速に乾燥させる
- ヘアアイロンによる過度の加熱
技術による原因
- パーマのワインディングにあたって毛髪を強く引っ張りすぎる
- パーマやカラーなど施術の際に薬剤を塗布したまま長く放置しすぎる
- ブラッシング及びコーミングの乱用
- カット技術の未熟
その他
- 強い直射日光に長時間さらす
- 海水やプールの水(消毒用塩素が含まれている)
- 紫外線
これらのような毛髪の損傷を補修、そして保護につとめるために、さまざまなトリートメント剤が普及している。
それ以外の効果として、その人本来の髪質を改善するという目的。
毛髪の損傷補修、保護が目的のヘアトリートメント剤
- PPTトリートメント
毛髪への親水性が高いポリペプチドを高濃度に配合しているため、補修作用に優れている - オイルトリートメント
一般的に加熱して使用するものが多く、損傷部分に塗布して熱を与える事により、浸透が促進され油分が補われる。
髪質改善が目的のヘアトリートメント剤
硬毛や軟毛、細い毛髪、太い毛髪、乾燥毛などに対し、主にハリ、コシ、ボリュームアップ、ボリュームダウンなどの調節を目的とした髪質改善を行い、種々の技術を効果的にほどこすことができる状態にする。
リンス・コンディショナー・トリートメントは髪質やダメージで使い分ける
シャンプーと同じように人それぞれで使う物がかわります。
ほとんどダメージのないツルっとした髪の毛には表面をコーティングするリンスを!
より乾燥やダメージが気になる場合はコンディショナーを!
ダメージが気になり髪質を改善したい場合はトリートメントを!
という具合に用途用途でかわります!
まずは今自分の毛髪がどうなのか?
自分でわからない場合はプロの美容師に相談する事をお勧めします!