前回はパーマ理論でした!
今回はパーマの分類と種類です!
コールドウェーブ用剤が日本の美容業界に出回ったのは1965年(昭和40年)。
特に終戦後に急速に普及し、そのため粗悪な製品が出回り断髪や皮膚障害のどの事故が多発した。
そこで安全のためにコールドウェーブ用剤の基準が設けられました。
パーマネントウェーブ用剤の分類1液と2液
分類について
- 効能・効果
ウェーブ形成か縮毛矯正か - 浴式
1浴式か2浴式か(1液のみか1液と2液があるか) - 使用方法
コールド式か加温式または用時調製発熱式か
パーマネントウェーブ用剤の組成
2浴式の用剤の内容成分を大まかに分類すると、
1液の組成
- 有効成分(還元剤)
チオグリコール酸系またはシステイン系 - アルカリ剤
アンモニア・アミン類(モノエタノールアミンなど)・中性塩 - 添加剤
コンディショニング剤等
2液の組成
- 有効成分(酸化剤)
臭素酸塩類・過ホウ酸ナトリウム・過酸化水素 - 添加剤
1液の相乗効果
毛髪の性質
- 親水性・・・水になじみやすい性質
- 疎水性・・・水をはじき油になじみやすい性質
- 両親媒性・・・水、油共になじむ性質
パーマネントウェーブの種類
※お店や美容師さんによって、理論、解釈に若干の誤差はあると思います。
大きく分けて2種類
乾いた時のカールが最も強くでる・・・ホットパーマ
濡れている時のカールが最も強くでる・・・コールドパーマ
ホットパーマ
ホットパーマ とは、熱を加えるパーマです。
60℃以上の加熱により髪のタンパク質の形が変化する「熱変性」という性質を利用しています。
違いは専用の機械を使う施術方法や薬剤、熱変性の有無です。
- エアウェーブ
専用機械を使って行うホットパーマ。
デジタルパーマと比べるとダメージが弱く、取れるのもやや早いです。
デジタルパーマと性質が似ていて、他のやり方で髪型を再現できることから取り入れてないサロンも多いです。
縮毛矯正をしていてもかけられ、ふわっとした柔らかい質感を表現できます。
低温なのでデジタルパーマで起こる熱変性を起こさないです。
※縮毛矯正でのダメージ具合や髪のダメージ状態による - デジタルパーマ
コールドパーマとの違いは薬剤と加熱です。
コールドパーマは液体ですが、デジタルパーマはクリームタイプ。
縮毛矯正と同じ薬剤を使っています。薬が満遍なく浸透しやすく、熱を加え熱変性が起こることにより髪へのダメージがあります。
縮毛矯正をした後にパーマはかけられないといわれますが、デジタルパーマはかけられます。
※縮毛矯正でのダメージ具合や髪のダメージ状態による
熱を加えるとダメージ、の熱変成(タンパク変性)って何??
よく熱で髪が痛むと言われます。
原因は「熱変性」によるもので、濡れてる髪は58℃を超えた熱を加えることによって髪が硬くなります。
髪と同じタンパク質であるお肉をイメージしてみてください。
焼肉をした時にお肉を焼くとどうなるでしょう。どんどん硬くなって最後には焦げてしまいますよね?そして冷やしたからと言って元の柔らかい肉に戻ることはありません。。。
髪の毛でも同じことが起き、熱で加熱すると髪が硬くなります。
もちろん戻ることはありません。
特徴
- 薬剤に加え60℃以上に加熱するパーマ
- 乾いた状態でウェーブが強く出る
- 乾かしてからオイル等でスタイリング
- 形状記憶で持ちが良い
- 頻繁なスタイルチェンジには向かない
- 短い髪や根元からはかけられない
- 熱変性により髪質が硬くなりやすい
- 施術工程が多く時間がかかる
- 縮毛矯正後にもかけられる
コールドパーマ
- 水パーマ
水パーマとはスチームの力を借りて行うダメージが少ないとされるパーマ。施術時間が短く、髪には優しいですが、その分かかりにくいのが難点。 - クリープパーマ
クリープとは英語でノロノロ歩くという意味があります。
髪の毛は形状記憶されていて、当然ながら何ヶ月かしたら取れてしまいます。
カラーやパーマをしていない髪の毛や太くて強い髪の毛はパーマがかかりにくいこともあります。クリープという現象を使うことによって乾燥させずに程よい水分の中で薬をゆっくり作用させるので、パーマがかかりにくい髪質でも、髪の抵抗を抑えてかけることができます。
パーマテクニックのひとつ - コスメパーマ
化粧品に分類される薬剤(コスメ)を使用してパーマをかけるパーマのことをコスメパーマ と呼びます。(代表的な薬剤は医療部外品です。)
比較的ダメージが少なくナチュラルな仕上がりになります。
医療部外品とは、厚生労働省で定められた成分を決められた量配合し、効果を認められたものを言います。
決められた量配合していない(少ない)ので基本的にコスメはダメージが抑えられるのです。
- ピンパーマ
メンズのショートで使われることが多いです。
ピンパーマとはロットを使わずにペーパーを巻いてカールを作り、ピンで留めるので、美容師の思った通りの動きを再現できます。
ウェーブ(波のようなスタイル)を作るというよりはカール(毛先が跳ねているスタイル)を作るので長い髪では使わないテクニックです。前髪や襟足など、ピンポイントでできます
特徴
- 常温での薬剤反応でかけるパーマ
- 濡れた状態でウェーブが強くが出る
- 濡らしてからムース等でスタイリング
- ホットパーマと比べて取れやすい
- スタイルチェンジしやすい
- 熱くないので根元からかけられる
- 熱変性させないので負担が少ない
- 施術工程が少なく時間がかからない
- 縮毛矯正をかけた後はかけられない
パーマの選択肢は3種類
- 普通のパーマ(コールドパーマ)
- デジタルパーマ
- エアウェーブ
その他デザインや使う薬剤によって違う名前のものもあります。
還元剤(1剤)に使われる成分は、約7種類。
- システイン・・・pH9・親水性「ダメージ毛」アルカリ性。
しっとり、柔らかいカールを出しやすい。
メリット・・・pHがアルカリ領域で、安定した強いウェーブが形成される
デメリット・・・毛髪への負担が大きい。臭いが強い - チオグリコール酸・・・pH7〜9・親水性「健康毛」アルカリ性。
しっかりとしたカールを出しやすい。
メリット・・・pHがアルカリ領域で、安定した強いウェーブが形成される
デメリット・・・毛髪への負担が大きい。臭いが強い - システアミン(コスメ)・・・pH6〜9・両親媒性(やや疎水性)「ダメージ毛」中性。
化粧品登録のパーマ剤。低ダメージで力強いカール
メリット・・・酸性領域でもウェーブの形成が可能。
デメリット・・・独特の臭いがある。 - サルファイト(亜硫酸塩)・・・pH7〜9.5・親水性「ダメージ毛」アルカリ性(高)。
化粧品登録のパーマ剤。
メリット・・・以前からカーリング料の主剤とし用いられてきた。臭いが少ない
デメリット・・・ウェーブ形成には高濃度のアルカリが必要。
手触りが悪くなる。繰り返し施術することがかかりにくくなる。 - チオグリセリン・・・pH10〜11・両親媒性性「健康毛」中性・・・
保湿効果が高く柔らかい質感。
メリット・・・毛髪への負担が少ない。臭いが少ない。
デメリット・・・特定のpHでないと、しっかりとしたウェーブを形成しない。 - ラクトンチオール・・・pH4〜6・両親媒性「ダメージ」酸性
メリット・・・中世付近でウェーブ形成が可能
デメリット・・・独特の強い臭いがある。水溶液系で安定性が悪い。(使う時に調整する必要がある) - GMT(グリセリンモノチオグリコレート)」・・・pH4.5〜7.5・両親媒性「ダメージ毛」酸性。
メリット・・・毛髪への負担が少ない。
デメリット・・・酸化不足になりやすい。髪に還元剤が残留しやすい。
※「」内はあくまでも基本の考え方です。メーカーや薬剤の種類によって薬の強さ・弱さはかわります。
パーマスタイルによって薬剤や方法がかわります
どんなパーマスタイルにするかで変わりますので、どれが正解でどれが不正解ではないです!
美容室によっても違いますし、美容師によっても違います。
髪の状態や履歴でどんな薬剤を使ってもパーマができない事もあります!
パーマスタイルを楽しむには髪の毛の状態と頭皮の状態を気にするのがまず必要になるかなと思います!
それからどういう薬剤でどうパーマを当てるのか?
これで大きくデザインは変わります!!
パーマスタイルを楽しむには、まずはしっかりと相談する事も大事ですよ☆